韓国語学習記事

韓国語の敬語完全ガイド|主体尊敬の-(으)시-・께서・계시다

誰を高めるのかを先に決め、主語を高める-(으)시-と께서、語ごと置き換える特殊語彙、物を高めない線引きまでを順に整理します。

高める相手が主語かどうかを最初に決める

主語にあたる人を高めるのが主体尊敬で、述語に -(으)시- を付け、主語の 이/가 を 께서 に替えます。

韓国語の敬語は、丁寧さの一本の目盛りではありません。主語にあたる人を高めるのか、動作が向かう相手を高めるのか、聞き手に対して丁寧に話すのかで、文の中で変える場所が違います。

標準国語大辞典は 께서 を「その対象を高めると同時に、その対象が文の主語であることを示す格助詞」と定義し、주격 조사 '가/이'의 높임말であり、このとき述語には高めを表す선어말 어미 '-시-'を付けると説明しています。主語を高めると決めた時点で、助詞と述語は一組で変わります。

表現・分類中心となる意味見分ける箇所
주체 높임主語にあたる人を高める述語の -(으)시- と主語の 께서
객체 높임動作が向かう相手を高める助詞 께 と 드리다 などの語
상대 높임聞き手に対する丁寧さ-습니다・-아/어요 など文末の形

助詞と述語を同時に替えて比べる

선생님이 지금 와요 と 선생님께서 지금 오십니다 は同じ出来事を述べますが、先生を高めているのは後者だけです。助詞だけを 께서 に替えて述語をそのままにすると、高める操作が途中で止まります。

-(으)시- の形は語幹末で決まります。パッチムが無い語幹とㄹ語幹には -시-、ㄹ以外のパッチムがある語幹には -으시- が付きます。오다 は 오십니다、읽다 は 읽으십니다 で、ㄹ語幹の 살다 はㄹが落ちて 사십니다 になります。

선생님이 지금 와요.

先生が今来ます。

高める操作をしていない文です。

선생님께서 지금 오십니다.

先生が今いらっしゃいます。

助詞 께서 と述語の -시- を同時に使います。

할아버지께서 신문을 읽으십니다.

祖父が新聞をお読みになります。

語幹末にㄹ以外のパッチムがあるため -으시- が付きます。

선생님께서는 부산에 사십니다.

先生は釜山にお住まいです。

ㄹ語幹の 살다 はㄹが落ちて 사십니다 になります。

저는 선생님께 사진을 드렸어요.

私は先生に写真を差し上げました。

高めるのが受け手なので、께 と 드리다 を使う客体尊敬です。

語尾ではなく語ごと置き換える動詞がある

標準国語大辞典は 계시다 を「'있다'의 높임말」、주무시다 を「'자다'의 높임말」、잡수다 を「'먹다'의 높임말」と定義しています。잡수시다 も、同じ辞書に「'잡수다'의 높임말」として立てられている一語です。

標準国語大辞典は 잡수다 の用例として 아버지께서 진지를 잡수고 계신다 を挙げています。特殊語彙のある動詞では、語尾を足すのではなく語そのものを入れ替える点を確認します。

表現・分類中心となる意味見分ける箇所
있다 → 계시다人が「いる」ことを高める存在する主体が高める相手か
자다 → 주무시다「寝る」を高める자다 に語尾を足すだけにしない
먹다 → 잡수시다「食べる」を高める먹다 に語尾を足すだけにしない

할머니께서 방에 계십니다.

祖母が部屋にいらっしゃいます。

있다 を 계시다 へ置き換えます。

아버지께서 벌써 주무십니다.

父がもうお休みになっています。

자다 を 주무시다 へ置き換えます。日本語では身内に尊敬語を使わない場面もあるため、訳し方は場面に合わせます。

動作の受け手を高める客体尊敬にも専用の語彙がある

動作が向かう相手を高める客体尊敬は、助詞 께 と、드리다・뵙다・여쭙다・모시다 のような専用の語彙で表します。

客体尊敬が高めるのは主語ではなく、動作が向かう相手(物を渡す相手・会う相手・言葉をかける相手・同行する相手)です。標準国語大辞典は 께 を 에게 の높임말と定義しており、受け手を高めるときは、この 께 と専用の語彙を組み合わせます。

標準国語大辞典は 드리다 を「'주다'의 높임말」、뵙다 を「웃어른을 대하여 보다. '뵈다'보다 더 겸양의 뜻을 나타낸다」、모시다 を「웃어른이나 존경하는 이를 가까이에서 받들다」と定義しています。国立国語院 우리말샘は 여쭙다 に「웃어른에게 말씀을 올리다」「웃어른에게 인사를 드리다」の二つの語義を挙げています。四語とも、主語ではなく動作の対象になる相手を高める点で共通します。

表現・分類中心となる意味見分ける箇所
주다 → 드리다'주다'の높임말。物を渡す相手を高める받는 사람이 높임의 대상
뵈다 → 뵙다웃어른을 대하여 보다(뵈다より겸양の意が強い)만나는 대상이 높임의 대상
여쭙다웃어른에게 말씀을 올리다/인사를 드리다말을 올리는 대상이 높임의 대상
데리다 → 모시다웃어른이나 존경하는 이를 가까이에서 받들다(데리다は아랫사람・동물が対象)가까이에서 받드는 대상이 높임의 대상

이 선물을 부모님께 드릴게요.

この贈り物をご両親に差し上げます。

드리다は주다の높임말で、受け取る相手を高めます。

내일 교수님을 뵙기로 했어요.

明日、教授にお目にかかることになりました。

뵙다は뵈다より겸양の意が強い語です。

궁금한 점을 선생님께 여쭈었어요.

気になる点を先生にお伺いしました。

여쭙다(여쭈다)は웃어른に말씀을 올릴とき使う語です。

할머니를 모시고 병원에 갔어요.

祖母をお連れして病院に行きました。

모시다は가까이에서 받드는対象を高めます。데리다は目上でない対象に使います。
× 드리다・여쭙다・모시다を使いながら助詞は에게のままにする

標準国語大辞典は께を에게の높임말と定義しており、動作の受け手を高める語と助詞は一組で変わります。

受け手を高める語を使うときは、助詞も께に替えます。

× 드리다を、受け取る相手ではなく話し手自身を高める語だと考える

드리다は주다の높임말で、高めるのは物を受け取る相手です。

드리다を使うかどうかは、受け取る相手が高める対象かどうかで決めます。

× 여쭙다を、目上ではない友人・同僚にも丁寧さを出すために使う

辞書の語義はいずれも웃어른에게が対象で、対象を目上に限定しています。

同年代・目下には물어보다など普通の語を使います。

主語と関係の薄い物まで高めない

主語本人ではなく、その人の体の一部や持ち物などを高めることで、主語を間接的に高める言い方があります。ただし範囲は無制限ではありません。

国立国語院のオンライン相談室は、커피 나오셨습니다 という言い方について、普通コーヒーは主語と密接な関係があるとは見ないため間接的な高めには当たらない、と回答しています。注文品や商品そのものを高める形は、この線の外側です。

× 助詞だけ 께서 に替えて述語をそのままにする

標準国語大辞典は、께서 を使うとき述語に -시- を付けると説明しています。

主語を高めると決めたら、助詞と述語を一組で替えます。

× 있다・자다・먹다 に -(으)시- を足して高めたことにする

これらには 계시다・주무시다・잡수시다 という別の語が用意されています。

特殊語彙のある動詞は、語尾ではなく語そのものを置き換えます。

× 注文した品物や商品に -(으)시- を付ける

国立国語院は、主語と密接な関係が無い物は間接的な高めに当たらないと回答しています。

高めるのは人で、物そのものは高めません。

参照した資料

文法項目と学習段階の整理には、国立国語院の公開資料を参照しています。この記事の日本語説明と例文は語学ドリルが作成したものです。

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