韓国語学習記事

韓国語の使役・受身完全ガイド

-이/히/리/기で作る使役動詞と受動動詞

同じ接尾辞が使役にも受身にもなる仕組みを、主語の立ち位置と辞書の語義表示から見分けられるように整理します。

編集:語学ドリル|

分け方:接尾辞の形ではなく主語の立ち位置

使役は主語が別の対象に動作をさせること、受身は主語が他者や外力の動作を受けることで、同じ接尾辞がどちらにもなります。

標準国語大辞典は、言語の用語として 사동 を「主体が第三の対象に動作や行動をさせる動詞の性質」、피동 を「主体が他の力によって動く動詞の性質」と定義しています。二つは向きが逆の関係です。

ところが韓国語では、この二つが -이-・-히-・-리-・-기- という同じ接尾辞で作られます。接尾辞の形だけを覚えると判別できないため、その文で主語がさせる側か受ける側かを先に読みます。

表現・分類中心となる意味見分ける箇所
사동主語が別の対象に動作をさせるさせる相手が文中にいる
피동主語が他者や外力の動作を受ける影響を受けた側が主語
-이/히/리/기どちらにもなる接尾辞形だけでは方向が決まらない

辞書は사동사と피동사を書き分けている

使役か受身か迷ったら、標準国語大辞典の語義末尾の「〜의 사동사」「〜의 피동사」を見ます。보이다・안기다 のように両方が立つ語だけは文脈で決めます。

標準国語大辞典は、語義の末尾に「'먹다'의 사동사」「'먹다'의 피동사」のように書き分けています。먹이다 は 먹다 の사동사、먹히다 は 먹다 の피동사 です。判断に迷ったら、この一行を見ます。

同じ語が両方に立つ場合もあります。보이다 は「보다の피동사」と「보다の사동사」が別の見出しとして並び、안기다 も「안다の피동사」と「안다の사동사」の両方が立っています。この種の語は、形ではなく文脈でしか決まりません。

表現・分類中心となる意味見分ける箇所
-이-먹이다(먹다の사동사)/보이다(보다の피동사・사동사)同じ接尾辞で両方に立つ語がある
-히-앉히다(앉다の사동사)/먹히다(먹다の피동사)辞書の語義末尾を見る
-리-울리다(울다の사동사)/열리다(열다の피동사)主語がする側か受ける側か
-기-웃기다(웃다の사동사)/안기다(안다の피동사・사동사)文脈で決まる語がある
-우-・-추-깨우다(깨다の사동사)/낮추다(낮다の사동사)どちらも辞書では사동사として立つ

同じ動詞で向きだけを変えて比べる

먹다 の場合、させる側を主語にすると 먹이다、受ける側を主語にすると 먹히다 になり、行為者は 에/에게 で示します。

먹다 を基点に、させる側を主語にすると 먹이다、受ける側を主語にすると 먹히다 になります。語幹を固定して主語だけを入れ替えると、接尾辞が担う向きを確認できます。

受身では、動作をした人ではなく影響を受けた対象が主語に立ちます。行為者を言う必要がなければ、結果だけを述べられます。

行為者を言う場合は、에/에게 で示します。標準国語大辞典は 잡히다 の受身の語義に【…에/에게】という文型を示しています。

동생이 밥을 먹어요.

弟がご飯を食べます。

接尾辞の付かない基本の形です。

어머니가 동생에게 밥을 먹여요.

母が弟にご飯を食べさせます。

먹이다(먹다の사동사)で、させる側が主語です。

바람에 문이 열렸어요.

風で扉が開きました。

열리다(열다の피동사)で、影響を受けた対象が主語です。

도둑이 경찰에게 잡혔어요.

泥棒が警察に捕まりました。

잡히다(잡다の피동사)で、動作をした側は 에게 で示します。

-기-・-우-/-추-でも同じ手順を使う

-기-・-우-/-추- の語も、辞書の語義末尾で向きを確かめ、안기다 のように両方が立つ語は主語がさせる側か受ける側かで読み分けます。

웃기다・안기다・깨우다・낮추다も、辞書の語義末尾(〜의 사동사/〜의 피동사)で向きを確認できます。안기다 のように피동사と사동사の両方が立つ語は、主語がさせる側か受ける側かを文で読み分けます。

그 친구는 이야기로 우리를 잘 웃겨요.

その友達は話でよく私たちを笑わせます。

웃기다(웃다の사동사)で、笑わせる側が主語です。

아기가 아빠 품에 편하게 안겼어요.

赤ちゃんがお父さんの懐に楽に抱かれました。

안기다(안다の피동사)で、抱かれる側が主語です。

아빠가 낯가리는 아기를 할머니에게 안겼어요.

お父さんは人見知りする赤ちゃんをおばあちゃんに抱かせました。

同じ안기다でも안다の사동사として使うと、抱かせる側が主語になります。

엄마가 늦잠 자는 저를 깨웠어요.

母が寝坊する私を起こしました。

깨우다(깨다の사동사)です。

사무실 냉방 온도를 1도 낮췄어요.

オフィスの冷房の温度を1度下げました。

낮추다(낮다の사동사)です。

하다が付く名詞には-시키다で使役にする

-시키다は、標準国語大辞典に「사동の意味を加えて動詞を作る接尾辞」として載っており、-이/히/리/기とは別の使役化の手段です。

標準国語大辞典は「-시키다」を接辞として立て、「'사동'의 뜻을 더하고 동사를 만드는 접미사」と説明しています。学習の場面では、공부하다・입원하다のように「名詞+하다」でできた動詞を使役にするとき、하다の代わりに-시키다を付ける形として出会います。先に見た-이/히/리/기が個々の動詞に決まった形で付くのに対し、-시키다は名詞に付く点で系統が異なります。

独立した動詞の시키다も別に立っていて、語釈は「어떤 일이나 행동을 하게 하다」です。「청소를 시키다」のように、させる内容を目的語に置いて使います。こちらは接尾辞ではなく、単独の動詞です。

공부시키다・입원시키다のように-시키다が付いた個々の語は、標準国語大辞典に見出しとして並んでいないものがあります(確認した範囲では入院させる意味の입원시키다は見出しがありませんでした)。辞書に載っていない形を機械的に作れるとは考えず、実際の用例で確かめてから使います。

表現・分類中心となる意味見分ける箇所
-이/히/리/기個々の動詞の語幹に付く(먹다→먹이다)どの動詞にどの形が付くかは語ごとに決まる
-시키다하다が付く名詞に付く(입원하다→입원시키다)하다を-시키다へ置き換えた形
시키다(単独の動詞)어떤 일이나 행동을 하게 하다させる内容を目的語に置く

선생님이 학생들에게 청소를 시켰어요.

先生が生徒たちに掃除をさせました。

単独の動詞시키다で、させる内容を目的語に置きます。

병원에서 환자를 바로 입원시켰어요.

病院は患者をすぐに入院させました。

입원하다を使役にした作例です。-시키다が名詞に付いています。
× -시키다を-이/히/리/기と同じように、動詞の語幹へ付ける

-시키다は「名詞+하다」の動詞に付く形として現れ、먹다のような固有語の動詞の使役は먹이다のように接尾辞で作ります。

→ 元の語が「名詞+하다」かどうかを先に見て、そうでなければ-이/히/리/기・-게 하다を検討します。

-게 하다との違いを国立国語院の区分で押さえる

国立国語院のオンライン相談室は、接尾辞が結び付いてできた使役動詞で表す文を단형 사동문、-게 하다 で使役の意味を表す文を장형 사동문 と呼び、後者は普通、間接的な使役を表すと説明しています。例として 영희가 동생에게 옷을 입혔다 と 영희가 동생에게 옷을 입게 했다 を挙げています。

変化を表す -게 되다 や -아/어지다 は、これとは別の枠組みです。接尾辞の使役・受身と混ぜず、変化表現の記事で分けて確認します。

× -이/히/리/기 が付いていれば受身だと決める

同じ接尾辞で使役動詞になる語も多くあります。

→ 主語がさせる側か受ける側かを読み、辞書の語義末尾(사동사/피동사)で確かめます。

× 사동사 と -게 하다 を完全に同じ意味として置き換える

国立国語院は -게 하다 の文について、普通は間接的な使役を表すと説明しています。

→ 自分で手を下したのか、そうするよう仕向けたのかを分けます。

× 接尾辞を付ければどの動詞からでも作れると考える

どの語にどの接尾辞が付くかは語ごとに決まっています。

→ 辞書に사동사・피동사として立っている形かを確認してから使います。

参照した資料

この記事の日本語説明と例文は語学ドリルが作成したものです。

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